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ワークフロー (業務フロー) 図とは?

15分

歴史やユースケースから記号やチュートリアルまで、ワークフローについて知っておくべきことすべてを説明しています。また、作図を始めるのに必要なすべての図形、アイコンや機能が揃った Lucidchart のワークフロー図ソフトウェアでプロフェッショナルな外観のワークフロー図を作成する方法についても紹介しています。

ワークフロー図とは?

ワークフロー図 (ワークフロー) は、業務プロセスを視覚的に概観する図です。標準化された記号や図形を使い、業務の開始から完了までのプロセスを手順別に示します。また、プロセスの各段階における作業の責任者も示されています。

ワークフローの設計においては、まず徹底的なワークフロー分析を行い、潜在的な弱点を特定します。プロセス内の重要な領域を定義し、標準化し、識別する上で役立つ分析です。

ワークフローは、従業員がそれぞれの役割や業務の順序を理解したり、異なる部門間での連携を強めるためにも有用です。製造業で生まれた図ですが、現在では行政、金融から商取引に至るまで、多種多様な業界で使われています。また、作成に役立つ便利なツールも多数登場しています。

 

ワークフロー図

一般的な関連用語

「ワークフロー」という用語は、以下の用語と混同されがちです。

  • フローチャート: ワークフローを実際に図示する図がフローチャートです。フローチャートは、ワークフローを含むさまざまな概念を表すために使われます。

  • ビジネスプロセスマッピング: 最適化の伴わないシンプルなステップ毎の線形プロセスとしてワークフローを捉えてみましょう。ワークフローは、ある事業プロセスに関与するさまざまなアクティビティ、データ、システムや人すべてを調整し、図式化する包括的なアプローチを用いるビジネスプロセスマッピングの一部に過ぎません。

  • ワークフロー管理:ワークフローを継続的に維持、更新、改善するために用いられる手法(および多くの場合、ソフトウェア)。


ワークフロー図の歴史

現代におけるワークフローの起源は、1880年代後半に遡ることができます。「ワークフロー」という用語が初めて登場したのは、1921年に発行された鉄道工学ジャーナルでのことです。ワークフローの生みの親とされ、いわゆる科学的管理法の提唱者であったフレデリック・ウィンズロー・テイラーと機械技術者で経営コンサルタントでもあったヘンリー・ガントは、特に製造業において、合理的な労働組織の研究を初めて行った人物として知られています。

コピー機やタイプライターの登場により、オフィス環境の技術的な高度化が進むに従い、ワークフローシステムの知識をさらに深め、普及していく動きもまた拡大しました。最適化理論の応用範囲の拡大、さらに第二次世界大戦とアポロ計画という2つの要因により、組織業務の合理化に対するニーズは高まりました。

1980 年代は、総合品質管理の概念が普及し、企業がグローバルな競争力を高めようとしたため、業務フローが急速に発展した時期でもありました。

しかし、実際に業務フロー図を作成するプロセスが容易になったのは、1990年代に業務フロー管理ソフトウェアが登場してからでした。それ以前は、ワークフロー図は紙に描かれていたか、そもそも描かれていなかったこともありました。

業務フロー管理ソフトウェアは、フローチャートを紙ベースから電子ベースのモデルへと移行させ、コンピューターに保存し、数回のクリックで更新できるようにしました。2005 年頃には、ソフトウェアベースのワークフロー管理システムにBPMN (ビジネスプロセスモデリング表記法) ツールが追加されてより強固なものになりました。

ワークフロー図の用途

ワークフロー図は製造業から生まれたものですが、ワークフローを活用できる業界はこの他にもいろいろあります。以下に例を示します。

  • 医療: 病院では、救急治療室への患者受け入れにおける手順をワークフロー図を使用して示すことができます。

医療ワークフロー図
  • 軍事: 部隊展開時の手順を示すためにワークフロー図を利用できます。

  • 金融: 決済処理から資金回収、発注書に至るまで、さまざまなプロセスの記録にワークフロー図が役立ちます。

発注書のワークフロー
  • 教育: 大学生の授業登録手順の図示など、さまざまな用途にワークフロー図が使えます。

  • 電子商取引: 注文から商品受け取りまで、顧客がたどるプロセスを図で示すためにワークフロー図を使うことができます。

ワークフローには、プロセス全体を視覚的に表すことで、プロセスの理解を深めるほか、潜在的な問題やボトルネックをその発生前に特定できるという特長があります。これらは、プロセス指標の追跡、非効率性の排除によるプロセスの改善、または手作業プロセスの自動化に役立ちます。従業員が各自の役割、自身と他の部署との関連を理解する上でも役立ち、コミュニケーションの改善と結束の強化につなげることもできます。

業界固有のユースケースを超えて、ワークフロー図は、エンジニアリング、マーケティング、生産、人事、営業、IT、運営など、作業が反復可能で引き継ぎ、承認、または役割間の依存関係を含むあらゆる場面で価値があります。

ワークフロー図の書き方

役立つワークフロー図を作成するためには、いくつかの手順が必要となります。

1. まず、企業の観点、顧客の観点など、どのような観点から図を作成するかを決めます。プロセスが現在どのように機能しているか(「as is」プロセスと呼ばれます)を示しているのか、それとも新しい実装がどのようになるか(「to be」プロセスと呼ばれます)を明確にしてください。

2. 次に、現在の業務プロセスのラフスケッチを作成します。組織内で繰り返し行う作業やアクティビティであるプロセスの高次的なステップを示す全体像を概観するイメージで行います。

3. 最初の図が出来上がったら、詳細を掘り下げていきます。各ステップに携わる従業員から情報を収集する要件収集フェーズとなる段階です。

要件収集フェーズでは、従業員に以下のような問いかけをします。

  • 業務全般で目指す目標はどのようなものですか?

  • 業務プロセスの開始と終了の合図はどのようなものですか?

  • 各ステップにはどのようなアクティビティが関与していますか? また、そのステップには誰が関与していますか?

  • 次に何が起こりますか?

  • このプロセスから乖離することはありますか?

  • 承認または拒否を決める意思決定ポイントにおいて、業務担当者が意思決定を行う上で知っておくべき情報はどのようなものですか?

4. 必要な情報がすべて集まったところで、ワークフロー分析を行います。非効率性を排除するため、以下の3つのステップに配慮しましょう。

  • 分類する : 「不可欠」、「有用」、「望ましいが不要」、「要排除」など、重要度に基づいてタスクのランク付けを行うと、弱点をすばやく特定することができます。職務内容ごとにタスクを分割し、従業員の役職と経験レベルに合ったタスク配分となるようにします。

  • 弱点を特定する : 冗長性、ボトルネック、データの二重入力、遅延のもととなる複数の手順などを洗い出します。

  • 将来像を考える : ワークフロー分析は、自社が将来の目標に沿って進んでいるかを確認できるよい機会でもあります。自社の今後5年間の目標はどのようなものか、それらの目標達成のために必要なタスクはどのようなもので、現在のワークフローに反映されているかを考えてみましょう。

5. 作図の準備が整いました!簡単に済ませるには、Lucidchart のワークフローテンプレートのいずれかを使用してください。これらは、図を作成・カスタマイズするための優れた出発点となります。

ゼロから始めるなら、手順を分かりやすくアウトラインしてから図にまとめると良いでしょう。例えば、ソフトウェアのインストールガイドのコンテンツ承認のプロセスは、以下のような簡単なワークフローとして表すことができます。

  1. テクニカルライターが専門家から集めた情報をもとにインストール方法を文書化する。

  2. 文書が専門家に送られ、レビューされる。

  3. ライターがレビューに基づき変更を加える。

  4. 文書が最終レビューに回される。

  5. 文書が承認または却下される。

  6. (却下の場合) ライターが原稿を修正して再提出する。

  7. (承認の場合) 文書が公開される。

ワークフロー図の種類

テンプレート:

  • ANSI フローチャート : 米国国家規格協会 (ANSI) による記号を使う ANSI 形式は、ワークフローの最初の標準となったもので、ワークフローに含まれるさまざまな手順を記述する共通言語といえるものです。

  • UML アクティビティ図: 統一モデリング言語を用いる UML アクティビティ図は、プロセスに含まれる手順とコントロールの流れを視覚的に表す図です。

  • BPMN: ビジネスプロセスモデリング表記法 (BPMN) では、UML に似たフローチャート技法を用います。技術とビジネスの両分野のユーザーにとり、共通言語としての役割を果たすもので、アウトプットよりも内部プロセスなどの業務プロセスや情報に重点を置きます。

  • スイムレーン: スイムレーン図は、組織内の各ユニットを分離し、ユニット間の相互作用を強調し、潜在的な非効率性を高次的に把握することを可能とする図です。

  • SIPOC: SIPOC とは、サプライヤー (Suppliers)、インプット (Input)、プロセス (Process)、アウトプット (Output)、顧客 (Customer) を示す略語で、データの作成者と受信者を明確に示し、関連する高次のプロセスを概観する図です。

 

スイムレーン図

一般的な記号や図形

ワークフロー図では、特定の図形や記号を使って対象のプロセス内の手順やアクションを示します。一般的な記号や図形には以下のようなものがあります。

図形

名前

 

意味

 

楕円形

楕円形

プロセスの開始点と終了点を示します。

長方形

長方形

指示またはアクションを示します。

ひし形

ひし形

決定を行うべき点を示します。この点で行われる「はい」または「いいえ」の決定以降、ワークフローは2つの異なるパスをたどります。

円

矢印で区切られたセクション間をジャンプする際の結合子として使われます。

矢印

矢印

次の手順の方向を示します。

 

ワークフロー図の構成要素

ワークフローの要素はいずれも、各ステップ間の流れを図示するために作られたものです。各ステップに以下の3つのパラメーターのいずれかが含まれます。

  • 入力 : ステップ完了に必要な労働力、資本、装置や情報。

  • 変換 : 場所、物理的特性、所有権や目的の変更など、出力を生み出す変化。

  • 出力: 変換の結果。

ワークフロー改善のための5つの理論

ともに技術者であり、経営コンサルタントでもあった W・エドワーズ・デミングとジョセフ・M・ジュランの1980年代の著作に端を発し、業務プロセスのワークフロー改善のためのさまざまな理論が花開きました。その中には、以下のように現在でも使われているものがあります。

  1. シックスシグマ : 統計理論に基づく数学の方程式を用い、最終製品の欠陥を排除することを目指すもので、製造過程における欠陥品の発生確率を100万分の3.4のレベルにすることを目標としています。あらゆるレベルにおける品質改善を重視したもので、プロセスの観察、分析や実験といった手法をとります。DMADV (定義、測定、分析、設計、検証) と DMAIC (定義、測定、分析、改善、定着) の2つのメソッドが広く使われています。

  2. 総合品質管理 : コミュニケーションと部門や従業員間の協業の強化に重点を置くことで、製品品質と業務環境の向上を目指す理論です。

  3. ビジネスプロセス・リエンジニアリング : アルゴリズムを駆使してあらゆるレベルの分析を行い、変わりゆく状況に合わせて業務プロセス全体の再考を行う理論です。

  4. リーン方式: 過剰な間接費やムダの排除に端を発し、市場の変化や不安定な状況にあっても競争優位性を保てる「リーン」な組織を創り出すことを目指す理論です。

  5. 制約条件の理論 (TOC): 鎖の強度が最も低い部分である制約条件を特定し、排除することを目指す理論です。

現代の組織におけるワークフロー図のその他の利点

リーンやシックスシグマのような継続的改善手法をサポートするだけでなく、ワークフロー図は、日々の業務をより信頼性が高く、拡張性があり、管理しやすいものにするために、しばしば作成(または更新)されます。方法は次のとおりです。

  • 業務を改善: タスクを完了するために必要な具体的なステップと順序を定義することで、適切な人材が適切な順序で、指定された時間内に作業を完了させることを確実にできます。ワークフローは、1人を対象として作成することも、プロジェクトの完了のためにそれぞれの役割と担当を持ち、協力し合うグループを対象に作成することもできます。

  • 無駄なプロセスや活動を排除: スタートアップ企業は規模が小さく、大企業に比べて確立されたプロセスや活動も少ないものです。ワークフロー図を使い、会社の成長に合わせて図を更新していくことで、単に目視でワークフローを追跡するよりも、無駄を発見して排除しやすくなります。

  • 運用経費を削減: ワークフロー図は、ベストプラクティスを定義し、業務を効率化するのに役立ちます。プロセスが合理化され、業務が迅速に行われるようになると、より少ないリソースで業務を遂行できるようになる可能性もあり、同じ目標の達成に必要なリソースが少なくなるため、コストの低減と収益の増加につながります。

  • 課題や問題に迅速に対応: 現代のワークフローは通常ソフトウェア上で管理されているため、要件、顧客の期待、または市場環境の変化に応じて、チームは図を迅速に更新できます。

  • プロセスを自動化: ワークフローは、特定の作業を複数の担当者が特定の順序で行うプロセスにおいて、ある従業員から次の従業員へ作業項目を渡すなど、単純な作業を自動化できる箇所を確認するために役立ちます。自動化により、業務分析、トレンドの把握、リスクへの備えや拡張計画などがしやすくなります。

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よくあるご質問

ワークフロー図は、ビジネスプロセスを視覚的に表現したもので、開始から完了に至るまでに関与する各ステップのアウトラインを示し、標準化された記号によってアクション、意思決定、責任を表します。

一般的なシンボルには、スタートと終点を示す楕円、タスクを示す長方形、決定点を示す菱形、コネクターを示す円、流れの方向を示す矢印などがあります。

主要な構成要素には、開始点と終了点、個々のステップまたは動作、決定点、流れの方向を示す矢印、および各手順の入力と出力が含まれます。

ワークフロー図は特にビジネスプロセスと責任に焦点を当てますが、フローチャートはあらゆるタイプのプロセスやアルゴリズムを表すことができます。

プロセスの範囲を定義し、関連情報を収集した後、標準的な記号を用いて論理的な順序で手順を明確にマッピングすることから始めます。

業務フロー図は、ボトルネックの特定、役割の明確化、プロセスの効率化、コミュニケーションの改善に役立ち、新しいチームメンバーのオンボーディングや業務フローの分析を容易にします。

ワークフロー図は、企業、マネージャー、プロジェクトチームなど、作業プロセスの理解や伝達に関わるすべての人にとって有益です。

これらは一般的にビジネスプロセスを可視化し、部門間のワークフローを改善し、タスクを割り当て、複雑な業務を管理可能なセクションに簡素化するために使用されます。

ワークフロー図は、プロセスが反復可能で、ハンドオフ、承認、依存関係を含む場合に有用であり、さまざまな業界に適用できます。

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