カスタマージャーニーとは何か、なぜ重要なのか
顧客が何を考えているのか、疑問に思ったことはありませんか?顧客や見込み客の行動に首をかしげた経験は、一度や二度ではないでしょう。顧客がブランドとどのように関わっているのか、なぜ特定の意思決定をするのかが分からなければ、営業、マーケティング、製品開発、UXデザインで戦略的なアプローチを取ることは困難です。
しかし、カスタマージャーニーマップを使えば、顧客のニーズや動機を驚くほど的確に予測し、理解できるようになります。
スティーブ・ジョブズの有名な言葉にもあるように、まず顧客体験から考え、そこからテクノロジーへと逆算していく必要があります。その逆ではありません。つまり、それを支えるシステム、ツール、プロセスを調整する前に、顧客にどのような体験をしてもらいたいのか、どう感じてもらいたいのかを明確にするということです。
カスタマージャーニーマップの作成とは?
カスタマージャーニーマップの作成とは、顧客がブランドと関わる体験を整理し、視覚化するプロセスです。目的や対象とする購入者ペルソナに応じて、さまざまな種類のカスタマージャーニーマップを使用できます。たとえば、現状と将来像に着目したカスタマージャーニーマップを作成すれば、現在の顧客体験と目指すべき顧客体験を比較できます。
どこに着目する場合でも、通常はマップ内にいくつかの共通するカスタマージャーニーの段階を示します。顧客による最初のウェブサイト訪問、初めての製品内体験、購入、オンボーディングメール、さらには更新や解約といった主要なイベントを時系列で並べることで、エンドツーエンドの体験がひとつのストーリーとして伝わるようにマップを構成できます。
カスタマージャーニーマップ作成のメリット
カスタマージャーニーマップは、顧客の立場に立ち、顧客がブランドと関わる際の動機、ニーズ、体験を理解するのに役立ちます。
顧客が何を求めているか、何が妨げになっているのかを把握すれば、体験を最適化し、障害を取り除き、顧客のニーズに直接応える解決策を生み出せるようになります。
カスタマージャーニーマップを活用すると、次のことが可能になります。
- カスタマージャーニーの最適化:つまずきやすいポイントを特定し、効果の低い顧客との接点を解消し、オンボーディングを改善することで、エンゲージメントと維持率を高めます。
- 部門横断チームの連携:部門間のサイロを解消し、顧客との接点ごとの担当者を明確にすることで、マーケティング、営業、UX が顧客を中心に取り組めるようにします。
- 戦略のパーソナライズ:定性的なインサイトを活用して購入者ペルソナを理解し、各チャネルでターゲットを絞った効果的なキャンペーンを展開します。
- ROI の測定と改善:定量データとカスタマーエクスペリエンスを結び付けることで、将来の投資の妥当性を示し、ビジネス価値の向上につなげます。
カスタマージャーニーマップは、経営戦略や製品計画に役立つ実践的な情報源としても広く活用されています。実際、Hanover Researchのレポートによると、企業の94%が、カスタマージャーニーマップは顧客ニーズによりよく応える新しい製品やサービスの開発に役立っていると回答しています。また、91%がマップは売上向上に貢献したと回答しています。
また、顧客行動は急速に変化する可能性があるため、多くの組織は市場の変化に柔軟に対応できるよう、カスタマージャーニーマップを活用しています。実際、パンデミック中には、3社に1社が変化する事業環境に対応するためにカスタマージャーニーマップを利用しました。しかし、Hanover Researchによると、現在カスタマージャーニーマップを作成するプロセスを導入している企業はわずか47%にとどまります。
カスタマージャーニーの段階
一般的な購入者のジャーニーをマップにする場合は、次の段階を含めます。
- 認知:見込み客が自分の課題や悩みに気づく。
- 検討:見込み客が課題を解決するための選択肢を調べる。
- 決定:見込み客が解決策を選ぶ。
- 維持:購入後も顧客に使い続けてもらうには、ブランドやソリューションに対して良い体験をしてもらう必要がある。
- 推奨:満足度の高い顧客はブランドの支持者となり、ソリューションを他の人に勧めるようになる。
通常、顧客はこうした段階を経て購入を決定します。それぞれの段階で、以下の点を考えてみましょう。
- 顧客は何を考え、どのように感じているか?
- なぜそのように感じているのか?
- 顧客はどのようなアクションを取っているか?企業との接点はどこにあるか?
- 顧客に次の段階へ進んでもらうにはどうすればよいか?
カスタマージャーニーマップの活用シーン
カスタマージャーニーマップは、複数の部門やチームが主要顧客をより深く理解するために活用できる強力なツールです。
セールス部門では、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客が購入プロセスをどのように進むのか、購入を妨げている課題は何か、その障壁がどのタイミングで生じるのかを把握できます。これにより、セールス担当者は顧客のニーズに対応し、目標達成を支援しやすくなります。
マーケティング部門では、顧客が抱く疑問や、さまざまな段階や接点でどのように感じているのかを理解するために、カスタマージャーニーマップを活用できます。これにより、説得力のあるコピーを作成し、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供しやすくなります。
また、カスタマージャーニーマップは、UXデザイナーがカスタマーエクスペリエンスの背景を理解するためにも役立ちます。顧客がどのようなアクションを取るのか、なぜそうするのかを理解できれば、顧客のニーズに直接応える、よりよい体験をデザインできるようになります。
つまり、カスタマージャーニーマップを作成することで、組織内のさまざまなチームが戦略的な意思決定を行い、各接点の担当者を明確にし、プロジェクトや施策の方向性をそろえ、より効果的で一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを実現しやすくなります。
カスタマージャーニーマップの作成方法
ユーザーについて理解を深め、効果的なカスタマージャーニーマップを作成するには、以下の手順に従いましょう。
1. 明確な目標を設定する
マップの作成を始める前に、まず目標を明確にしましょう。目的に応じて、必要なカスタマージャーニーマップの種類や、含めるべき要素を判断できます。
カスタマージャーニーマップには主に3つのタイプがあります。
- 現状:最も一般的なカスタマージャーニーマップです。現時点で顧客がブランドとどのようにやり取りしているかを把握できるため、課題を特定し、カスタマーエクスペリエンスを改善するのに役立ちます。
- 顧客の一日:ブランドとのやり取りの有無にかかわらず、顧客の行動や感情を含め、日常生活をより広く理解するためのマップです。顧客ニーズを予測し、対応するのに役立ちます。
- 将来像:目指すべきカスタマージャーニーを視覚化するものです。現状マップと併用することで、現在のカスタマーエクスペリエンスと理想の状態とのギャップを特定できます。
これらの目標を実行に移せるものにするには、ジャーニーの各部分に関わる担当者に参加してもらい、改善をどのように測定するかについて合意しておきましょう。
2. 購入者ペルソナを理解する
目標と必要なマップの種類が明確になったら、購入者ペルソナを特定し、整理していきます。
購入者ペルソナとは、特定の顧客セグメントを架空の人物像として表したものです。既存の顧客層から得たデータや調査結果を活用することで、ユーザーのニーズや行動を正確に反映したペルソナを作成できます。このプロファイルはカスタマージャーニーマップの基盤となり、特定の顧客グループがブランドとどのように関わり、どのような体験をしているのかを明らかにします。
現時点でペルソナの情報が少ない場合は、まず手元にある記録からスタートし、少しずつ精度を高めていきます。追加調査を行い、顧客対応チームから得た知見を活用することで、こうしたプロファイルを検証し、内容を充実させることができます。ビジネスの成長に合わせて、こうした知見を活かし、初期段階の下書きから戦略の指針となる包括的なマップへと発展させていきましょう。
ペルソナの調査方法
最も有用なデータは、実際にブランドとやり取りしたことのある顧客や見込み客から得られます。以下の方法で、顧客に関する有益なデータを収集しましょう。
- インタビューを実施する。
- 日常的に顧客と接している従業員に話を聞く。
- 既存ユーザーにアンケートを送る。
- カスタマーサポートや苦情の記録を確認する。
- 録音されたコールセンターでの会話から関連する部分を抽出する。
- ソーシャルメディア上での自社に関する会話をチェックする。
- ウェブ分析を活用する。
- ネットプロモータースコア(NPS)のデータを収集する。
以下に関する情報を探します。
- 顧客が最初に自社ブランドを見つけた方法
- 顧客が購入または解約するタイミングや状況
- 顧客が自社のウェブサイトを使いやすい、または使いにくいと感じた点
- 自社ブランドが解決できた課題と、解決できなかった課題
定性的な情報(インタビューやサポートログなど)と定量的な情報(分析やNPSなど)の両方を活用することで、単なる推測ではなく、顧客の実際の行動を反映したマップを作成できます。
3. 顧客との接点を洗い出す
まずは、Lucidのカスタマージャーニーマップテンプレートライブラリを活用しましょう。調査結果を共同作業スペースにまとめることで、すべての関係者が改善を進めるために必要な背景情報を共有できます。
マップの内容を絞り込み、実際に活用しやすくするため、購入者ペルソナは1つずつカスタマージャーニーとして可視化します。顧客が認知から購入に至るまでの具体的な道筋は、購入者のタイプによって異なります。
オーガニック検索結果からマーケティングメールまで、顧客が自社ブランドと関わる接点をすべてリストアップします。ブログ記事を読む、料金ページをクリックするなど、顧客が取る具体的な行動を調査しましょう。アイデアを出したい場合は、Lucidの親和図テンプレートを使って、チームでブレインストーミングを行えます。